2012年12月26日水曜日

人生が詰まったワイン、チェルバイオーナ


-------------------------チェルバイオーナ 誕生秘話。からの続き-------------------------------------


1983年、元パイロットの夢が叶い世界にリリースされたチェルバイオーナの
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。

それから29年の時を経て、今年入荷したのが2007年ヴィンテージである。
ワインの歴史において、29年という歴史は決して長いものではない。
しかし、ワインを一人の男性の人生に置きかえると、29年という歳月は非常に長い。
ましてや後継者のいないワイナリーにおいて、29年の歳月は一体何を意味しているのであろうか。

自分にしか生み出せないワイン造り。
造り手ディエゴ・モリナーリ氏がその土地、その場所にいるからこそ誕生するワイン。

それが、まさにチェルバイオーナのブルネロ・ディ・モンタルチーノである。

土地と気候、ブドウと造り手が一体となった、
ディエゴ・モリナーリ氏の『分身』と言ってもいいのではないだろうか。







2007年は2006年と肩を並べる優良年と評される。
その味わいは明確に異なり、
強靭でパワフルな2006年に対し、2007年は驚くほどエレガントで透明感溢れる味わい。

これまでの、濃密でスパイーシーな印象であった、
チェルバイオーナのイメージをガラリと変えた。

まるで花束を抱えているかのような、エキゾチックなアロマ。
ダークチェリーやプラム、スパイスのニュアンス。
凝縮した果実味が非常に強いインパクトをもたらし、
大きく包みこまれるような贅沢なフィニッシュへと導いてくれる。

一度飲んだら忘れられない、虜になる味わい。
2007年はどこか余裕すら感じさせる、優雅さをまとっている。

ディエゴ氏のワインに対する愛情、そして彼を支えるノラ夫人の愛を感じる、
そんなディエゴ氏の人生そのものが詰まったワインだからこそ、
我々はこのワインに魅了されてしまうのかもしれない。


















チェルバイオーナに後継者がいない事は、我々にとって悲しむべき事実だ。
だが、ディエゴ氏の新しいヴィンテージのワインを、
今こうして味わえることは、何ものにも代えられない幸せである。

大好きなタバコも辞めたというディエゴ氏。
まだまだ我々ワインラヴァーの為にも元気に長生きし、
素晴らしいワインを世に送り出して欲しいものである。



ご紹介したワインはこちら▼
2007 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ / チェルバイオーナ  16,800円
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/detail.php?hanbai=0&order=0&shohincode=0466001513A7&bunner_id=wn7









2012年12月14日金曜日

チェルバイオーナ、誕生秘話。

イタリアを代表する世界屈指の赤ワイン、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。

1960年代には20程度だった生産者は、
その後、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの名声が世界に知れ渡るにつれて増え続け、
現在は200以上もの生産者がブルネッロ・ディ・モンタルチーノを造っている。

造り手によって唸るほど異なるキャラクターを持つ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。
ワイン同様、造り手もまた様々な個性で私たちを魅了する。

ディエゴ・モリナーリ氏がオーナーを務める、「チェルバイオーナ」。
非常に入手困難なワインとしてブルネッロ・ディ・モンタルチーノ界の
一躍スターダムに上りつめた。

元パイロットという異色の経歴を持つディエゴ・モリナーリ氏。
ディエゴ氏は元々、アリタリア・イタリア航空のパイロットであった。
奥様のノラさんも同じく航空業界出身。
JALの元CAから転職し、カイロのアリタリア・イタリア航空で地上勤務していた頃、
2人は出会い結婚した。







「本物」のワインを造りたいという思いから、モンタルチーノに土地を探し続け、
1977年、2人は現在の場所へと辿りついた。
当時、モンタルチーノは少子高齢化が深刻で、若者たちは田舎住まいを捨て都会に出る半面、
彼らのようなリタイア組が住むようになった最初の時期だったという。



















丘の上に建つ、色とりどりの美しい草花に囲まれた住居。
裏庭から見渡すモンタルチーノの絶景を目にすると、
2人がこの土地を選んだ理由が一目瞭然である。
ブドウ畑は、目視できるわずか2区画、5haのみ。
最初の区画は、ディエゴ氏自らが植えたサンジョヴェーゼのみを栽培している。

収穫は全て手作業で行い、農薬は使用しない。
出来る限り自然に近い形でワイン造りを行い、
納得のいくブドウが収穫できなかった年には、ネゴシアンに売却してしまう。

生産量は微々たるものであっても、決して妥協を許さない。
徹底した品質管理を貫いている。


















チェルバイオーナのワイン造りは、決して全てが順風満帆というわけではなかった。
1980年に初リリースする予定だっだが、ひょう害によりブドウは全滅。
自暴自棄になりそうだったディエゴ氏だが、翌年にようやく1樽のみ仕込むことができた。

チェルバイオーナとしての初リリースは1983年のロッソ・ディ・モンタルチーノ。
熟成期間の関係もあり、1981年のブルネッロ・ディ・モンタルチーノは後からのリリースとなった。

念願のブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。
非常に貴重なリリース当初のファーストラベルを手にすることができた。

























ラベルのデザインを手掛けたのは、ローマ在住のコストン・ブラザーズ。

余談だが、彼のデザインにこんなユニークな一枚がある。
元航空業界で働いていた2人へ向けたイラスト。
飛行機にはブルネッロ・デイ・モンタルチーノの文字が描かれている。



















こうして誕生したブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。
1982年、モンタルチーノ全土が最高の天候に恵まれ、無名であったチェルバイオーナも
プロの目に留まるようになる。
以降、1985年を最初の年として、ガンベロロッソの常連となりトレ・ビッキエリ(3グラス・最高評価)を獲得、またリリースする度にパーカーポイント90点台後半を叩き出す高評価を得て、世界へと大きく羽ばたいていった。


--------------チェルバイオーナのブルネッロ・ディ・モンタルチーノについては、次へ続く。-----------
  


▼今回ご紹介したドメーヌはこちら▼

チェルバイオーナ
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/list.php?special=PL&bunner_id=wn
   


             



 


2012年11月17日土曜日

研ぎ澄まされたサンジョヴェーゼの魅力「モンテヴェルティネ」

個人的に好きなワインは何か?
と聞かれれば、私は迷わず「ブルゴーニュワイン」と答えるだろう。


ここだけの話、ブルゴーニュのピノ・ノワールに関しては、
これを越えるワインは存在しないと心の底で信じている。

だが、ただ一つ、あるワインが頭をよぎる。


「モンテヴェルティネ」。








 
















そう、イタリアワインだ。

ブルゴーニュワインかと間違える程に、香り高く繊細。
誰もが、このワインがサンジョヴェーゼから出来ていることに驚くであろう。

事実、私もその予想外の出来栄えに驚いた一人である。

イタリア、キャンティクラシコ中央部ラッダに存在するモンテヴェルティネ。
標高が高く、冷涼な気候ラッダのギリギリの気象条件からは、
贅肉のない研ぎ澄まされた美しいワインが生み出される。


















ワイナリーの始まりは1967年。鉄鋼業を営んでいたセルジオ・マネッティ氏が
週末を過ごすためのカントリーハウスとして土地を購入したことに始まる。
趣味で始めたワイン造りの虜となり、本業を売却しワイン造りに専念することになったのだ。

15haのブドウ畑は家のすぐ目の前。
栽培も醸造もすべて目の届く範囲の小さなエリアで行なわれている。






 

サンジョヴェーゼの旨みを余すことなく取り出し、
自分の思い通りのワインを造ると言うことに、とても強いこだわりを持っている。

その結果、敢えてキャンティ・クラシコを名乗らない、
キャンティの枠を超えた独自の地位を確立した。

「イタリア最高峰のワイン」

モンテヴェルティネの造るワインはそう呼ばれている。

トップ・キュヴェであるレ・ペルゴーレ・トルテがいかに素晴らしいかと言うことはさておき、
世のワインラヴァーの人々に、もっとこの「モンテヴェルティネ」の存在に
注目して欲しいと私は考える。

高嶺の花であるレ・ペルゴーレ・トルテに対して、
このモンテヴェルティネはもっと気軽に私に振り向いてくれる。

気高く、上品でありながら親しみやすい。
何よりの魅力だ。

赤い果実の優しいアロマに、花の香り。
澄みきったタンニンにきれいな酸。
滑らかな舌触りの後、ピュアな果実味が心地よく喉を広がる。

香りに酔いしれながら、穏やかな時間が流れる。

「幸せだ。」

気がつくと、そんな言葉がこぼれた。

至福のひと時は、意外と身近にあるのかもしれない。
























ご紹介したワインはこちら▼
2008 モンテヴェルティネ / モンテベルティネ  5,250円
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/detail.php?hanbai=0&order=0&shohincode=0450710013A8&bunner_id=wn6


▼ご紹介したワイナリーはこちら▼
モンテヴェルティネ
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/list.php?special=PI&bunner_id=wn6








 



2012年11月4日日曜日

王の区画「ボーヌ・クロ・デュ・ロワ」ドメーヌ・トロ・ボー②



------優しさの中に感じる芯の強さ「ドメーヌ・トロ・ボー」①からの続き--------


   
ドメーヌ・トロ・ボーの所有する畑は、ACブルゴーニュをはじめ本拠地
ショレイ・レ・ボーヌ、サヴィニー・レ・ボーヌ、ボーヌ、アロース・コルトンの1級畑、コルトン、コルトン・シャルルマーニュの特級畑と幅広いキュヴェを手掛けている。

その中でも、オーナーファミリーのナタリー女史が最も思い入れのある畑は、
「ボーヌ・クロ・デュ・ロワ」であるというから驚いた。



 



コルトン、コルトン・ブレッサンドのグラン・クリュをも所有している彼女が、
なぜ、1級畑の「ボーヌ・クロ・デュ・ロワ」と答えたのか。
そこには、オーナーファミリーのこの畑に対する格別の想いが込められていた。

この「クロ・デュ・ロワ」の畑、実は彼女の曾祖父アレクサンドル氏が取得した、
ドメーヌ・トロボーの中でも最も古い畑だそうだ。


















ドメーヌ・トロ・ボーの設立は1880年に遡る。
当時、ショレイ村の村長であった曾祖父アレクサンドル氏こそが、
ワイン造りを始めたドメーヌの創始者でもある。

なるほど、ナタリー女史が、この最も古い畑に思い入れがあるのにも納得がいく。

「クロ・デュ・ロワ」とはフランス語で『クロ=石垣、ロワ=王様』
つまり、「王の区画」という言葉を意味する。

ナタリー女史曰く、この畑はブドウ畑全体を塀に囲まれているため、
太陽の熱を溜めやすく、他の畑のブドウに比べてよく熟した甘味のしっかりとしたブドウが出来るという。そして、果実の凝縮感、さらにブドウの生命力を力強く感じる味わいへと仕上がる。























ダークベリーのような熟したジャムの香り。
そして甘いチョコレートのようなニュアンス。酸味は穏やかで肉付きの良い印象。
そして太陽の光をたっぷりと吸収したチャーミングな果実味が滑らかに喉を通る。
力強くもあり、しなやか。

ドメーヌ・トロ・ボーの良さが際立つ1本だ。

「王の区画」の名にふさわしい、威厳と上品さを兼ね備えたワイン。
そして、そこに先祖代々受け継がれてきた、造り手の敬意と愛情が加わり、
更にワインに味わい深さが増してくる。


これまでのナタリー女史の話を聞いて、私は今飲むには勿体ない気がしてきたのだ。
じっくり熟成させて、万全を期して頂きたい。

我がセラーに眠る、「王の区画」よ。

その実力を楽しみにしているぞ。



▼ご紹介したワインはこちら▼
2009 ボーヌ・クロ・デュ・ロワ / ドメーヌ・トロ・ボー 7,350円
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/detail.php?hanbai=0&order=0&shohincode=0213023213A9&bunner_id=wn5



2012年11月3日土曜日

優しさの中に感じる芯の強さ「ドメーヌ・トロ・ボー」①

ワインの面白さの一つに、造り手との出会いがある。

気に入ったワインを見つけると、そのワインをどんな人物が
造っているのか、好奇心が湧いてくる。
その私の好奇心を満たしてくれるのが、まさにテイスティングイベントだ。

先日行われた、渋谷ヒカリエ店でのテイスティングイベント。
ブルゴーニュの造り手の来日に心躍らせ駆け付けた。

今回の来日は、『ドメーヌ・トロ・ボー』。

フランス、ブルゴーニュ地区、
ショレイ・レ・ボーヌ村に本拠地を置く、家族経営のドメーヌだ。
村名ショレイ・レ・ボーヌを6ha所有し、特級畑のコルトンやコルトン・シャルルマーニュなどを含め、計23ha以上を所有する隠れた大ドメーヌである。



















ずらりと並ぶテイスティングアイテム。
本拠地のショレイ・レ・ボーヌをはじめ、ボーヌ・クロ・デュ・ロワなど、さらにグラン・クリュ、コルトン・ブレッサンドの3ヴィンテージを含む、全7アイテム。
コルトン・ブレッサンドを3ヴィンテージも味わえるなんて、なんとも贅沢な気分だ。



















現在、19世紀から代々続くドメーヌを現在切り盛りするは、
オーナーファミリーの5代目ナタリー・トロ女史。

彼女の醸し出す柔らかな雰囲気は、
まるで私たちを優しく包み込むようなオーラがある。
と同時に、ワインに対するコメントを語る姿は、ストイックかつ胸に秘めた静かな情熱を感じる。
優しさと強さが一体となった、芯のしっかりとした印象だ。



















事実、トロボーのワインには実にしっかりとしたブレない芯の強さを感じる。
毎年安定した高品質なワインを生産できるのも、
ナタリーのそうした芯の強さ、彼女の強い意思があるからであろう。

決して派手なわけではなく、じわじわと感じる凝縮したブドウの旨み。
そして柔らかいタッチが特徴の素直で上品な味わい。
早くから楽しむこともできるが、何十年とじっくりと熟成させるとより一層深みと美しさが増す。
それがトロ・ボーのワインに共通する特徴だ。

そして今回、ワインと造り手、この2つが一心同体であると私は感じた。
 

今日はこの辺で、次回、ナタリー女史お勧めのワインを紹介するとしよう。                    
                            

  
▼今回ご紹介したドメーヌはこちら▼









2012年10月18日木曜日

優雅なおもてなしシャンパーニュ「グランド・セレクション・ブリュット 」

パリの名門「レストラン・タイユヴァン」。

1946年、凱旋門に近いパリ8区にオープンして以来、
パリで最も予約の取れにくいレストランとして、美食家たちを唸らせてきた。
料理、サービスはもちろんのこと、ワインのコレクションが高く評価されている。
















1973年、2代目のジャン・クロード・ヴリナ氏はレストラン業の傍ら、
自らフランス全土をくまなく歩き回り、ワイン生産者の元を訪ねては自分の目と舌で確かめた
クオリティの高いワインを買い付けてきた。

並みならぬワインへの情熱。
そして生産者にとって、自分のワインが選ばれることは最高の名誉なのである。

タイユヴァンラベルのワインを一度口にすると、
彼のワイン選びのセンスの良さが伺える。

この重厚かつ優雅な名門レストランのハウス・シャンパーニュとして、
数々のゲストを感動させるシャンパーニュをご存知だろうか。

その名も「グランド・セレクション・ブリュット」。






造り手のドゥーツは170年以上もの歴史を誇る老舗メゾン。
生産量の約40%はフランス国内のレストランで消費されるという為、
日本では中々お目にかかれない。所謂、知る人ぞ知るシャンパーニュなのである。

洋梨やリンゴ、そして熟したトロピカルフルーツの芳醇なアロマ。
そこにほんのりイースト香や、ナッツの香ばしさが加わり複雑な印象を与える。
泡はキメ細かく繊細で美しい。

その泡からは想像もできないほど、しっかりとした味わい。
存在感のあるミネラルが口中で広がりを見せ、キリッとした酸が全体を引き締める。
奥行きと広がり、そしてラストへ続く余韻が非常に美しい。

何事にも動じない、しっかりとした芯のある存在感だ。

さすが。名門レストランに相応しい、堂々たる風格。
タイユヴァンが特注で造っているということにも、納得がいく。

まさに人の心を動かす1本。

特別な空間で大切な人とじっくり味わいたいものだ。



▼今回ご紹介したワイン▼
グランド・セレクション・ブリュット [タイユヴァン・ラベル] [ボックス付] /シャンパーニュ  6,300円
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/detail.php?hanbai=0&order=0&shohincode=0371001073X0&bunner_id=wn4










2012年10月4日木曜日

一流を気軽に楽しむ「ピアン・ディ・ノヴァ」

フィレンツェからローマ方面へ車で約1時間。
トスカーナワインで有名なキャンティ地方にフェラガモ・ファミリーが所有する
高級リゾート地「イル・ボッロ村」が存在する。



















1993年、世界的ブランドである フェラガモ・ファミリーの総帥、フェルッチオ・フェラガモ氏が
廃墟寸前まで朽ち果てていたこの村とその周辺地区を購入し、
10年以上の月日をかけて現在の美しいリゾート地に再生した。

この村の総面積は約700ha。
この広大な敷地に中には、フェラガモ家が住んでいた別荘をはじめホテルやレストラン、
教会、靴屋、そしてワイナリー「イル・ボッロ」が存在する。
















所有するブドウ畑の面積は約45ha。
メルロ、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、サンジョヴェーゼ、プティ・ヴェルド、
の5種類のブドウが栽培され、贅を尽くした至高のワインの数々が生産されている。

イル・ボッロの畑に植えられているブドウの樹は1haあたり4500本。
その限られたブドウの樹1本から取れるブドウは1kg。
なんと、1本のブドウの樹から1本のワインしか生産されないというわけだ。

  













ワイナリーの名を冠した最上級キュヴェ、「イル・ボッロ」は、
キャンティ地区に位置しているにも関わらず、あえてキャンティではなく
独自のスーパー・タスカンとしての道を選んだ。
徹底的な品質至上主義から生まれる、華やかでモダンなワイン「イル・ボッロ」は、
初ヴィンテージの1999年以来、毎年高い評価を受け注目されている。

そんなスーパータスカン「イル・ボッロ」のスタイルを気軽に楽しめるワインが存在する。
密かにこっそり人に教えたくなるワインだ。

それがこのワイン、「ピアン・ディ・ノーヴァ」。


 



シラー75%、サンジョヴェーゼ25%のスーパータスカン。
典型的なトスカーナワインと違い、シラーの割合が圧倒的に多い。
一見、どっしりとした味わいに思われがちだが、その洗練されたスタイル驚く。

ブラックチェリーやブルーベリーの甘美なアロマ。
口に含むと、ジューシーな果実味が印象的だ。
シラー特有の重みのある味わいを、サンジョヴェーゼの軽快な明るさが優しく和らげる。
飲み応えがありながらも、口当たりは滑らか。
なんとも絶妙なバランスである。

なるほど。超一流のモノ造りを誇るフェラガモ・ファミリーの手にかかれば、
ワインでさえも、ハイセンスな雰囲気を醸し出すものか。


実に洒落ているではないか。


さて、今夜はフェラガモ・ファミリーの名に恥じぬよう、軽くキメて頂くこととしよう。



▼今回ご紹介したワイン▼
2009 ピアン・ディ・ノヴァ / イル・ボッロ 3,675円
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/detail.php?shohincode=0465739113A9&bunner_id=wn3
 
▼今回ご紹介したワイナリーはこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/list.php?special=PC





2012年9月21日金曜日

体を癒す甘口ワイン「ミュスカ・ド・リヴザルト」

季節の移り変わるこの時期、自然界のあらゆるものが変化する。

その影響か、空気の匂いにどこか自然のぬくもりを感じる。
体が癒しを求めている。
夏の暑さに疲れた体に、染みるような癒しが欲しい。

そんな中、まさに求めていた1本に出会った。

『ヴァン・ドゥ・ナチュレール』だ。

ラングドッグ地方のルーション地区、AC生産地区にてミュスカ種100%で造られる
天然の甘口ワイン。

その中でも、ルーション地区モーリーで長い歴史と最大の規模を誇る、
ワイナリー「マ・ザミエル」のミュスカ・ド・リヴザルトが実に素晴らしい。





















200年前にアミエルファミリーが興したのがワイナリーの始まり。
ワイナリーの名前、MAS AMIELは「アミエルの家」を意味しているという。
ルーションらしい、岩山を背後に約170haの畑が広がる様は、なんとも雄大な景観である。














そんな、大自然に囲まれたラングドックの地で造られる、ミュスカ・ド・リヴザルト。
その味わいは、実にチャーミングなのだ。

透明感のある薄いクリアな黄色。
だが、その色からは想像も出来ない程、芳醇なアロマが顔を出す。






















ハチミツや洋梨のコンポートのような甘い香り。
そしてレモンやマスカット、グレープフルーツを思わせる瑞々しい果実のアロマ。
香りに酔いしれながら口に含むと、これがまた心地良い。

フワッと華やかなアロマが体中に染みわたり、まるで自然の優しさに包まれるような感覚。
華麗な技に、思わず心を奪われる。

一瞬のサプライズの後は、とても綺麗に引き下がり、
甘口ワインでありながらも、後味はスッキリとしている。

なんとも理想的なスタイルである。

これは面白いワインに出会った。

週末は、日差しが優しく照らすテラスで味わうとしよう。
天然の甘味に、じっくり癒されようではないか。


▼今回ご紹介したワイン▼
2008 ミュスカ・ド・リヴザルト / マ・ザミエル 3,150円
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/detail.php?hanbai=0&order=0&shohincode=5170842523A8&bunner_id=wn2

▼秋薫る白ワイン特集▼

http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/list.php?special=AN&bunner_id=wn





2012年9月11日火曜日

世界に愛されるワイン「ムートン・カデ・ルージュ」

愛されるワインには理由がある。

ワインの好みは人それぞれだ。
我々のように、熱い情熱を注ぎ込む愛好家もいれば、
料理のお供として気軽に楽しむ人もいる。

中には、特別な日に飲むものとして
非日常的な存在として捉えている人もいるだろう。

こうしたワインに対する価値観が人それぞれである中、
長い間、
世界中から愛されるワインが存在する。



その中の一つが、この「シャトー・ムートン・カデ・ルージュ」ではないだろうか。


 




















創立80年以上の歴史を誇る、ムートン・カデ。

1930
年、ブドウが不作となりシャトー・ムートン・ロスチャイルドを瓶詰できなかったことから、
そのブドウを使ってムートン・カデ・ルージュが誕生したというのは有名な話。

この判断を下した、フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵が一族の末っ子(カデ)
であったことと、ムートン直系ワインという意味を込めて「ムートン・カデ」と名付けられた。

















なぜ、このワインが世界中から愛されるのか?

理由は実にシンプルである。
それは、「誰がいつ飲んでも美味しいと感じる」からだ。

常に、時代に合った美味しさを追求してきた。

2004年にはこれまでカベルネ・ソーヴィニヨン主体であったセパージュを
メルロ主体に変更したのも、

日本を含む世界5都市でブラインドテイスティングを行った結果である。

グラスに注ぐと、フレッシュな甘い果実の香りが広がる。
ラズベリーやブラックチェリー、カシスなど赤系果実と

黒系果実のアロマが優しく広がる。そしてバニラのニュアンス。
口に含むと、香りに対して落ち着いた印象である。メルロの優しい果実味が全面に出ていながらも、カベルネ・ソーヴィニヨンの深みやタンニンが感じられるバランスの良い味わい。

実にコスト・パフォーマンスに優れている。

なるほど。これが世界から愛される理由か。


じっくり味わうというよりも、気心の知れた仲間と集い、
たわいもない会話を繰り広げ、料理をつまみながら口にする。
そんな気軽さと親しみ易さを持っている。

この親近感こそが、長い間世界中に愛される最大の理由かもしれない。
さて、今夜は仲間と集まろう。

ドーンとマグナムボトルを片手に飲み明かそうではないか!



▼今回ご紹介したワイン▼
2008 ムートン・カデ・ルージュ(記念ボトル) マグナム 3,990円

http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/detail.php?hanbai=0&order=0&shohincode=0176542274A8&bunner_id=wn1

 




 

2012年9月2日日曜日

身近な贅沢「テヌータ・フレスコバルディ・ディ・カスティリオーニ」

「灯台もと暗し」

とでも言おうか。
常日頃から身近にあるものには、なかなか気がつかないものである。

我々は無意識のうちに、珍しいものや目新しいものにばかり目がいってしまう。
近くにあったが為に、新鮮味が無くなり興味の対象から外れてしまうことがある。

だが、ふとしたことがきっかけで、ちゃんと向き合ってみると、
案外「イイモノ」だったりする。

それがこのワイン、「テヌータ・フレスコバルディ・ディ・カスティリオーニ」だ。





このボトルに見覚えがある人も多いのではないだろうか。
イタリアの名門「フレスコバルディ」。
トスカーナの各地に畑を所有し、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノやキャンティなどを始め、
数々の優良ワインを造り続ける、ヨーロッパ最大級のワイナリーだ。

















ワイナリーはラベルそのもの。クラシックで趣がある画だ。
だが、このラベルの印象が堅過ぎてやや損をしている気もする。

なぜなら、テヌータ・フレスコバルディ・ディ・カスティリオーニ(この名前にも少々難がある。)は、
とてつもなく明るくチャーミングなワインだからだ。

カシスやブラックベリーの黒系果実のアロマ、そしてバニラやシナモンの甘い香り。
奥から樽の香りがふんわりと漂い、ややスモーキーな印象を与える。
口に含むと濃厚なエキスから、徐々に果実味がじわじわと滲み出る。

口の中で広がる、ブドウの厚み。
果実味が全面に出ているにも関わらず、重たすぎずに滑らかでいて美しい。
丸みを帯びたタンニンが、酸味と一体になって心地よく喉を通る。

まさに、思わず心が踊り出す理想的なバランス。

カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、サンジョヴェーゼ。
この4品種が一致団結して、見事なハーモニーを演出している。
そんなイタリアの陽気さを感じる明るい味わいのせいか、
テヌータ・フレスコバルディ・ディ・カスティリオーニを飲んだ時から調子がいい。

もっと早くに口にするべきであったことが悔やまれる。
実に惜しい。


ワインを飲んで後悔するとは、なんとも久しぶりの感覚だ。



▼今回ご紹介したワイン▼
2009 テヌータ・フレスコバルディ・ディ・カスティリオーニ 3,045円
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/detail.php?hanbai=0&order=0&shohincode=0446434813A9&bunner_id=wn




2012年8月25日土曜日

幸せな気持ちになれるワイン「ヴォーヌ・ロマネ・ボシエール」

最近しみじみ感じる。

ワインは実に飲むその時まで、その魅力の真価は決してわからない。

一度、あるヴィンテージを飲むと、
まるでそのワインと造り手を知ったかのような気になるが、
それはあくまで、うわべだけのことに過ぎない。

毎年、同じ畑で同じ人が造ろうとも、同じ天候になることは決してない。
毎日成長するブドウから、全く同じブドウが収穫されることもまずない。

同じワインは2度と造られない。

開けてみて初めてわかる、その出来具合。
この特別感こそがワインの醍醐味であり、難しさでもある。
だが、そんな気難しさがあるからこそ、
グラスの中で華やかに輝く、まるで命を吹き込まれたかのようなワインに感動を覚える。

ドメーヌ・ジャン・グリヴォが造る「ヴォーヌ・ロマネ・ボシエール」。























まさに、このワインが私に感動を与えてくれた。
いや、感動と言うと少し大げさだ。嬉しさとでも言おうか。


ジャン・グリヴォはヴォーヌ・ロマネに本拠地を置くブルゴーニュの名門ドメーヌ。
主に、ヴォーヌ・ロマネとニュイ・サン・ジョルジュに畑を所有し、
所有する畑の半分以上がグラン・クリュ(特級畑)やプルミエ・クリュ(1級畑)という
最良のテロワールを誇っている。


















畑もリュット・レゾネ(減農薬法)方式で管理し、テロワールを最大限に表現できるよう、
人為を排して自然に近い形で、栽培、醸造を行っている。

















昔飲んだ記憶が正しければ、ジャン・グリヴォのワインは果実の凝縮感、
そして濃厚なアロマが印象的であった

どの畑の何年ものであったのか、その記憶があいまいであることが嘆かわしい。

だが、今回はそのあいまいな記憶が鮮明に塗り替えられる程、
この「ヴォーヌ・ロマネ・ボシエール」は輝きを放っていた。

それゆえに、本来ならば自分の想像と違い、裏切られたと感じるところだが、
不覚にも喜んでしまった。


透明度の非常に高い、赤みを帯びた紫色。
ツルンとした光沢のある輝き。
あまりの透き通った美しさに、グラスを何度傾けて目を凝らしたことか。





まるで搾りたてのブドウのようなフレッシュなアロマ。
つい、最近まで緑が生い茂る畑の中で房となっていたブドウを
そのまま持ってきたかのような瑞々しさがある。

口に含むとスーッと滑らかに流れ込む。
一切雑味を感じない、洗練されたピュアな味わい。

ブルゴーニュワインに見られる、若いヴィンテージ特有の酸味がなく、
抜栓直後から穏やかで愛らしい。

素直に真っすぐと育った、そんな自然な印象だ。

一口、飲むたびに嬉しさが込み上げる。
「知らなかったぞ!こんなに美味かったなんて!」

いつの間にか、心の中でスキップを踏んでいた。
なんだか得した気分である。


『幸せな気持ちになれるワインを造りたい。』
当主、エチエンヌ・グリヴォ氏の想いは、しっかりと私の胸に届いた。



▼今回ご紹介したワイン▼
2008 ヴォーヌ・ロマネ・ボシエール / ジャン・グリヴォ 7,350円
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/detail.php?hanbai=0&order=0&shohincode=0209433213A8&bunner_id=wn

▼ドメーヌの紹介はこちら▼
ジャン・グリヴォ
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/list.php?special=ZB&bunner_id=wn

2012年8月17日金曜日

何度も飲み頃を迎えるワイン「クロ・デ・パプ・ブラン」
















かつて世界一のワインとの評価を受け、シャトーヌフ・デュ・パプの最高の造り手として呼び声高いクロ・デ・パプ。セラー内を案内された際に見た機械はどれも綺麗に整備されている。
10
年以上使っているというエチケットを貼る機械はまるで買ったばかりかのように美しい。


















清潔感のあるワインセラーはポール・アヴリルの性格をそのまま表しているようだ。
会って早々、挨拶もほどほどに自分のワイン造りについて熱く語ってくれた。
      












 



ワインの良し悪しの80%がブドウで決まると考え、ブドウ栽培に勤しんでいること、4年前からビオでの栽培を始めていること、また古木のブドウを使用することに重きをおいていること、ブドウは徹底した収穫・選果を行っており、毎年決まった人を雇っていること、収穫したブドウは今まで一度も他の生産者に販売したことがないことなど。
我を忘れて、無我夢中に熱く語る姿はまるで子供のようであった。

その中でも、ポールがしきりに繰り返していたのは、「ブルゴーニュのようなワイン造り」である。パーセル(区画)によって違うテロワールで造られる同じブドウ品種を混ぜて造ることで、力強さやエレガントさが増すという。

シャトー・ヌフ・デュ・パプのアペラシオンで使用が認められている
白の品種は6種類。
クロ・デ・パプではそのすべてを栽培している。















ポール曰く、クロ・デ・パプのシャトーヌフ・デュ・パプ・ブランの飲み頃は数度訪れると言う。
1度目は出荷してすぐの3年後まで。この時期はフレッシュな味わいが愉しめる。
2度目は58年後。リリース当時に感じたフレッシュさはすっかり落ち着き、トロリとしたミネラル感が全面に出てくる。アニスやぺトロール(石油系の油)のニュアンスが感じられ複雑味が増してくる。
その後、10年も経つとまるでブルゴーニュのグラン・クリュの熟成した白ワインのようにシャンピニオン、蜂蜜、アーモンドのような香りに変化するという。
その後いつまで飲み頃が続くのかは分からない、と茶目っ気たっぷりに答えるポール。
その姿は、自らのワインの成長を慈しんでいるようだった。
さて、今回の主役、2011年の白をいただくとしよう。
なんという瑞々しさであろう。
なるほど、これが最初の飲みごろと言うものか。確かにフレッシュでフルーティ。
熟成などしなくとも十分に楽しめる生き生きとした魅力がある。



















その後、進められるままに、2004年のテイスティングへと移行する。
二度目の飲み頃を迎えているワインと2011年の味わいを比べてみろというわけだ。
ポールに説明された通り、アニスのようなスパイスのニュアンス、そしてオイリーで長い余韻を感じる。なんと言っても、2011年のフレッシュな味わいからは想像し難い熟成感と深みがそこにはあった。

どうだ、どっちが好きだ?

ポールが少年のように目をキラキラと輝かせて聞いてくる。
若々しいのもいいが、少し落ちついた熟成感のある味わいの方が好きだ。と私は答えた。

完璧なまでに計算された飲み頃。
いつ、どの時期に開けても様々なスタイルで飲み手を満足させてくれる。
変幻自在とでもいうべきか。

さすがポール、「最高のワインにしか興味がない」と言うだけある。


 

▼今回ご紹介したワイン▼
2011 シャトー・ヌフ・デュ・パプ・クロ・デ・パプ・ブラン