2012年8月17日金曜日

何度も飲み頃を迎えるワイン「クロ・デ・パプ・ブラン」
















かつて世界一のワインとの評価を受け、シャトーヌフ・デュ・パプの最高の造り手として呼び声高いクロ・デ・パプ。セラー内を案内された際に見た機械はどれも綺麗に整備されている。
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年以上使っているというエチケットを貼る機械はまるで買ったばかりかのように美しい。


















清潔感のあるワインセラーはポール・アヴリルの性格をそのまま表しているようだ。
会って早々、挨拶もほどほどに自分のワイン造りについて熱く語ってくれた。
      












 



ワインの良し悪しの80%がブドウで決まると考え、ブドウ栽培に勤しんでいること、4年前からビオでの栽培を始めていること、また古木のブドウを使用することに重きをおいていること、ブドウは徹底した収穫・選果を行っており、毎年決まった人を雇っていること、収穫したブドウは今まで一度も他の生産者に販売したことがないことなど。
我を忘れて、無我夢中に熱く語る姿はまるで子供のようであった。

その中でも、ポールがしきりに繰り返していたのは、「ブルゴーニュのようなワイン造り」である。パーセル(区画)によって違うテロワールで造られる同じブドウ品種を混ぜて造ることで、力強さやエレガントさが増すという。

シャトー・ヌフ・デュ・パプのアペラシオンで使用が認められている
白の品種は6種類。
クロ・デ・パプではそのすべてを栽培している。















ポール曰く、クロ・デ・パプのシャトーヌフ・デュ・パプ・ブランの飲み頃は数度訪れると言う。
1度目は出荷してすぐの3年後まで。この時期はフレッシュな味わいが愉しめる。
2度目は58年後。リリース当時に感じたフレッシュさはすっかり落ち着き、トロリとしたミネラル感が全面に出てくる。アニスやぺトロール(石油系の油)のニュアンスが感じられ複雑味が増してくる。
その後、10年も経つとまるでブルゴーニュのグラン・クリュの熟成した白ワインのようにシャンピニオン、蜂蜜、アーモンドのような香りに変化するという。
その後いつまで飲み頃が続くのかは分からない、と茶目っ気たっぷりに答えるポール。
その姿は、自らのワインの成長を慈しんでいるようだった。
さて、今回の主役、2011年の白をいただくとしよう。
なんという瑞々しさであろう。
なるほど、これが最初の飲みごろと言うものか。確かにフレッシュでフルーティ。
熟成などしなくとも十分に楽しめる生き生きとした魅力がある。



















その後、進められるままに、2004年のテイスティングへと移行する。
二度目の飲み頃を迎えているワインと2011年の味わいを比べてみろというわけだ。
ポールに説明された通り、アニスのようなスパイスのニュアンス、そしてオイリーで長い余韻を感じる。なんと言っても、2011年のフレッシュな味わいからは想像し難い熟成感と深みがそこにはあった。

どうだ、どっちが好きだ?

ポールが少年のように目をキラキラと輝かせて聞いてくる。
若々しいのもいいが、少し落ちついた熟成感のある味わいの方が好きだ。と私は答えた。

完璧なまでに計算された飲み頃。
いつ、どの時期に開けても様々なスタイルで飲み手を満足させてくれる。
変幻自在とでもいうべきか。

さすがポール、「最高のワインにしか興味がない」と言うだけある。


 

▼今回ご紹介したワイン▼
2011 シャトー・ヌフ・デュ・パプ・クロ・デ・パプ・ブラン



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