2013年7月31日水曜日

「シャトー・モン・ペラ・ブラン」が放つグレート・ヴィンテージ2009年の底力

暑い夏の日差しが照りつける。
じりじりと肌に伝わる熱を感じながら、2009年のボルドーも
こんなに暑かったのだろうかと思いを巡らす。

多くのワインメーカ-が口を揃えて「最高の出来」と評する
グレート・ヴィンテージ2009年。
良く熟したブドウの、凝縮した果実の魅力を堪能することができる。
優良なのは、何も赤ワインだけとは限らない。
2009年の出来を、見事に表現した白ワインが存在する。

その名も「シャトー・モン・ペラ・ブラン」。
ボルドー白ワインの銘醸地、アントレ・ドゥー・メールにある歴史あるシャトー。





















このワインを手掛けるのは、ワインを造って10世代、250年に渡って
ワイン醸造の伝統を受け継いできたデスパーニュ家である。
「アントレ・ドゥ・メールから1級ワインを」という暑い想いのもと、
数多くの小さな無名シャトーを秀逸なワインを造り出す、優良シャトーに育てあげてきた。






彼らの手掛ける赤ワインのひとつ、シャトー・モン・ペラ・ルージュは、
「オーパス・ワンにも引けをとらない」「5大シャトーと間違える」と称賛され、
圧倒的なコスト・パフォーマンスのワインとして一躍旋風を巻き起こした。

1本3,000円台で手に入るワインが、かの有名な5大シャトーやオーパス・ワンを上回る―
どれほどの衝撃をワイン界に与えたのか、想像して頂きたい。

さて、シャトー・モン・ペラ・ルージュの話はさておき、白ワインに話を戻そう。

世界を騒がせた、超優良ヴィンテージという前情報を抜きにしても、
やはり2009年は旨い。























グラスに注ぐ瞬間から、パイナップルやマンゴーのトロピカルフルーツの
濃密なアロマ、そして青リンゴやグレープフルーツの爽快な香りが充満する。

ボルドーグラスに注いだならば、きっと後悔するだろう。
贅沢にモンラッシェグラスにたっぷりと注いで欲しいものだ。

口に含むと、オイリーで強いアタックに驚かされる。
まるで果物を食べているかと錯覚するほどのフレッシュな果実味とともに、
厚みのあるミネラルが口の中を満たしてくれる。

ほのかに香る樽香、そしてキレの良い酸がボリュームあるテイストを
見事に引き締めている。
ただ厚みがあるだけではなく、最初の印象からラストの余韻まで、
飽きることなく楽しませてくれる。

これはこれは、上出来ではないか!
思わず腹の底から声を出して称えたくなる。

コスト・パフォーマンスの高いワインは星の数ほどあるだろう。
だが、この価格帯でこれほどまでに、2009年のヴィンテージの特徴を生かし、
底知れぬパワーを感じさせるワインは、そうないのではないだろうか。

ヴィンテージの恩恵に甘んじず、
そのポテンシャルを十分にワインに閉じ込める。
世界を沸かせた優良シャトーならではの、“アツイ”白ワインだ。



▼今回ご紹介したワインはこちら▼
2009年 シャトー・モン・ペラ・ブラン    3150円
http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/detail.php?shohincode=0101056823A9




2013年7月26日金曜日

コート・ロティ最上の造り手が生み出す、感動を与える極上シラー。

ワインには、いつも驚かされることが多い。
先入観に支配された我々の思考を弄ぶかのように、
思いもよらぬ結果をもたらす。
いくら書物で知識を増やそうとも、ブドウや地域の特徴を知っていようとも、
その年の気候に詳しかろうとも、ワインの味わいは、決して教科書通りのものではない。

私にそう気づかさせてくれたワインが、
このルネ・ロスタンの「コート・ロティ」である。






南フランス・ローヌで地方で造られる、シラ-最高峰のワイン。
過酷な急斜面から生まれるコート・ロティのワインは真の強さがありながら
ローヌ地方のワインの中でも、最も繊細なワインと称される。


















一般的に、シラーと聞けば、濃厚でスパイシー。
タンニンは力強く、パワフルで野生的なイメージを想像する。
さらに南仏のシラーと聞けば、グルナッシュと共にアッサンブラージュされることが多く、
その圧倒的なブドウのパワーを感じる力強い味わいを思い起こすだろう。















昔、幸運にも私は、このルネ・ロスタンが造る「コート・ロティ」を飲む機会に恵まれた。
まだ未熟であった私は、南仏のシラーと聞くやいなや
安易に典型的なシラーの味を予想した。

ところが、それは大きな間違いであったのだ。

口に含んだ途端、衝撃が走った。
あまりの衝撃に、今でもそのことを鮮明に覚えている。

透き通るような透明感。そして、シルクのような滑らかな口当たり。
カシス、ラズべりーの豊満なアロマに加え、
フローラルな華やかさがグラス全体を覆う。

「果たしてこれが本当にシラーなのか。」

衝撃と疑問が頭の中を駆け巡る。
何よりも驚いたことが、シラーがまるで
ピノ・ノワールのような繊細さ、そしてエレガントさを放っていることである。

本来対極のタイプであるはずの、シラーとピノ・ノワール。
ルネ・ロスタンの造るシラーはまるで、ピノ・ノワールを彷彿とさせたのだ。

だが、それは紛れもなくシラー100%から造られるワイン。
その証拠に、黒コショウのスパイス、ブラックオリーブやタバコのニュアンス、
といったシラーの特徴に加え、繊細さの中にも
上質なブドウが煮詰まったような凝縮感を感じるのだ。


さすが、シラーの神様と称えられるルネ・ロスタン。
驚くほど繊細で極めてピュアな美しいワイン、これぞシラーの真骨頂とも言うべき逸品を
造り出す天才的な醸造家だ。












1971年にドメーヌを設立して以来、一代で築き上げたドメーヌは、
今やコート・ロティ最上の造り手として一目置かれている。

伝統的な製法と革新的な製法を見事に融合させたワイン造りで、
コート・ロティのテロワールを最大限表現し、シラーの魅力を引き出す。
手間暇かけ丁寧に造られるルネ・ロスタンのワインは、言うまでもなく入手困難だ。
その上、完璧主義のルネ・ロスタンは、
納得のいかない年は上級キュヴェを生産しない。

つまり、世の中にリリースされるワインは、
どれも彼が最高品質であると納得のいったものに限られる。

このワインに出会えること自体が、いかに幸福なことであるか。

あらゆる先入観、邪念を取り除き、
静かな気持ちでこのワインと向き合ってもらいたい。

そこには、未だかつて味わったことのない、
感動が待ち受けていることだろう。


▼今回ご紹介したドメーヌはこちら▼
RENE ROSTAING ルネ・ロスタン

▼おすすめのワインはこちら▼
コート・ロティ・アンポジウム / ルネ・ロスタン    8,925円