2013年9月27日金曜日

『人生をかけて守り抜いたブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノと言えば、イタリアワインの格付けで最も規定の厳しいD.O.C.G.に認定されているワインであり、世界のワインラヴァーたちからの熱い視線を集める、偉大な赤ワインとして知られている。

「ブルネッロ」とはブドウの品種名であり、「モンタルチーノ」とは、イタリアのトスカーナ州シエナ県にある小さな村の名前である。人口数千人足らずのこの小さな村で造られるワインが、今や世界から一目置かれるワインとなっているのである。


この村で造られるワインが、一躍有名になったのには、ある男の存在が欠かせない。ブルネッロ・デイ・モンタルチーノを開発した、名門中の名門ワイナリー、ビオンディ・サンティの5代目当主であり、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを世界に知らしめた、立役者である。
その名をフランコ・ビオンディ・サンティという。


フランコ氏は、1922年ビオンディ・サンティ家に生まれた。創始者クレメンティ・サンティ氏は、トスカーナの主要品種であるサンジョヴェーゼを改良し、「サンジョヴェーゼ・グロッソ=ブルネッロ」を開発。そして、一家3代目のフェルッチョ・ビオンディ・サンティ氏が、そのワインを始めて元詰しリリースした。まさにビオンディ・サンティ家は、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの生みの親なのである。

フランコ氏は、そんな祖父の開発したブルネッロ・ディ・モンタルチーノを人生をかけて守り抜いた。例えば、長きに渡り多くのイタリア生産者たちが熟成に利用した、225ℓのバリックの流行には全く乗らなかった。「我々はバリックを必要としない。我々の大地が既にワインを偉大なものにしているから。」と語り、祖父が購入した大樽を1880年代から使い続けた。

また、サンジョヴェーゼ・グロッソ100%という現規定を変えようとした流れにも断固として立ち向かい、一歩も引くことがなかったのである。


















フランコ氏の偉大さは、祖父のワイン造りを受け継ぎ守り抜いただけでなく、トスカーナにおけるブルネッロ・ディ・モンタルチーノの普及、また国際舞台においても、幅広いプロモーションを行い、現在の確固たる地位を築いたことである。
若きフランコ氏は、祖父のワインを販売するために、父と共にアメリカに渡り、そこで「欲しい人に探し求められるようなワインを造る」ことを決意した。


そんな偉大なフランコ氏であるが、残念ながら201347日、惜しまれつつも91歳という大往生でこの世を去った。90歳までワイナリーに立ち続けたフランコ氏。
彼が手掛けた最後のグレート・ヴィンテージが、このワイン「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノアンナ―タ 2007年」である。




アンナ―タはビオンディ・サンティが造る最もスタンダードなブルネッロであり、所有する3つの畑の中で最も古い畑「イル・グレッポ」のブドウから造られている。

2007年ヴィンテージと言えば、2006年から続くトスカーナのグレート・ヴィンテージだ。

抜栓後、最低でも2時間は待った方が良いだろう。フランコ氏曰く、8時間はおいておくのがベストだという。もしくは、デキャンタすることを勧める。
時間を置いて、グラスに注ぐと、赤いチェリーのアロマが妖艶に広がる。そして、スパイス、タバコ、ユーカリの葉やバルサミコのニュアンスが次々に漂う。

口に含んだその時から、我々はこのブルネロ・ディ・モンタルチーノに詰まった歴史の深さ、そしてフランコ氏の想いを知ることとなるだろう。濃密で個性的な香りに包まれた、がっしりとした骨格のある重厚なボディ。そして、時間と共に土っぽさが抜けて、柔らかくエレガントに変化する上質なタンニン。酸がアクセントとなり全体を引き締め、バランスの良さ、そして高貴な印象を与える。

過去の歴史、これまでの功績、そして未来へ向けた可能性を感じるポテンシャルの高さ。まさに、人生をかけてブルネッロの栄光を築いた彼の集大成を感じさせる1本だ。

この世の中にブルネッロ・ディ・モンタルチーノという素晴らしいワインを知らしめてくれたことに、心からの敬意を込めて頂くこととしよう。



▼今回ご紹介したワインはこちら▼
2007年 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ アンナータ / ビオン・ディ・サンティ 19,950円
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