2014年1月23日木曜日

職人気質のワイン造り「エルヴィオ・コーニョ」


「頑固な職人」

近年聞くことの少なくなったこの言葉は、
もはや過去のものとなってしまったのだろうか。

そんな一抹の寂しさを感じている昨今、時代の移り変わりに流されることなく、頑なまでのこだわりでワインを造り続けているワイナリーの存在に出会った。

「エルヴィオ・コーニョ」

イタリアピエモンテ州バローロ村から、南のノヴェッロ村に向かう登り街道沿いにあるワイナリーだ。












日本ではあまり聞き慣れないワイナリー名だが、
今やイタリア国内のみならずアメリカなどからも世界的に高い評価を受けている、
高名なワイナリーなのだ。

その立役者である創設者エルヴィオ・コーニョは、
時に“バローロのロマネコンティ”と称される「ブルーノ・ジャコーサ」や
“いかなるヴィンテージもバローロの十傑に入る”と称される「ジャコモ・コンテルノ」等と並び評される素晴らしいバローロを生み出してきた、
イタリアワイン史に名を残す偉大な人物の1人だ。
いわゆる“頑固親父”を地でいくような人物で、
ワイン造りに頑なまでのこだわりを持っていた。

シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨン等の国際品種は一切使わず、
この地方に古くからある土着品種のみでワインを造りつづける。

あくまでも、自分の土地とワイン造りの伝統に対し、
尊敬と愛着心を抱きながら真摯に向き合う誇り高き姿勢に、職人の心意気を感じる。
彼のその職人気質とテロワールへの深い愛情は、現在娘夫妻に引き継がれている。

ナディア女史とその夫、ヴァルター・フィソーレ氏だ。


このヴァルター・フィソーレ氏もまた
エルヴィオ・コーニョ氏を彷彿とさせる頑固な職人気質。
結果に満足することなく”完璧なワイン”を目指している。
現に、この20年間世界の名だたるソムリエお墨付きの最高級のワインを造りだし、
生みだすワイン全てがパーカーポイント90点以上獲得という偉業を果たしているのだ。

ブドウ栽培において特にこだわりが強く、
自然農法に敬意を払い、1ヘクタール当たりの収量を抑えることで
丁寧かつ合理的に畑を管理し、頑なに地ブドウのみを育てている。

親から子へ。伝統を引継ぎ良いものを生み出していく姿に魅せられる。

そんな彼らには特に想い入れの強いワインがある。
「バローロ・ヴィーニャ・リゼルヴァ」。
















ヴァルター・フィソーレ氏とナディア女史、
そして3歳の時にラベルのヒヨコをデザインした娘のエレナによって育まれたワインである。

エレナに捧げる、娘と同じ名前のブドウ畑は他の畑に比べて砂質の南東に位置し、
凝縮した果実と綺麗な酸をもつブドウから香り高い上品なワインが生まれる。
急な斜面のブドウを手作業で収穫し、大樽のスロヴァニアウォーク樽で36カ月熟成。
時間と手間を惜しみなくかける為、ブドウの出来が良い年しか生産されず、
造り出される本数は僅か5,000本と非常に少ない。
まさにこだわりが詰まった1本なのだ。
  


グラスに注ぐと、そこには繊細で鮮やかなガーネット色。
赤系果実やバラ、ミント、木樽などの様々なアロマがグラスから溢れんばかりに漂う。
ラベルに描かれている可愛らしいイラストからは想像もつかない程エレガントで
まるで上質なブルゴーニュワインのようだ。

キメ細かいタンニンからもたらされる、非常にエレガントな印象。
本来のネッビオーロらしい繊細さがしっかりと表現されており、
まさに「美しいネッビオーロ」と表現するに値する。
畑での厳格な作業と大樽での熟成から生まれる、
威厳のあるまっすぐなバローロは、流行に捉われず変わらぬ味を守る姿勢が感じられる。

「どうだ。これこそが我々の造るワインだ。」

と彼らの自信と誇りに満ち溢れた顔が想像できる。

“頑固な職人気質”を、ぜひとも更なる次世代に引き継いで、
素晴らしいワインを世に送り出していって欲しいものである。


▼今回ご紹介したワインはこちら▼
2007年 バローロ・ヴィーニャ・エレナ・リゼルヴァ
                                      /エルヴィオ・コーニョ 税込 14,175円

                                                                                            

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