2014年2月1日土曜日

情熱と天才的手法が生み出す、幻の白ワイン「モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ クロ・デ・モン・リュイザン・ヴィエイユ・ヴィーニュ 」

我々ワインラヴァーにとって、ワインを好きになるきっかけとは何であったろうか。

日本には昔より、日本酒や焼酎といった独自の酒文化がある上に、
世間には日本の技術を駆使した、ハイクオリティなビールが溢れている。
そこで、敢えて異国文化の象徴であるワインに惚れ込むきっかけ、
それは人それぞれにあるだろう。

私の場合、そのきっかけの一つとなったのが『ドメーヌ・ポンソ』のワインである。


















まだ、畑の名前もシャトーの名前も、グラン・クリュもプルミエ・クリュも、

ブドウの品種すら何も知らなかった頃、
初めて口にした「ドメーヌ・ポンソ」の「ブルゴーニュ・ルージュ」に感銘を受けたのだ。

ただ、ブドウから造られただけの液体が、
こんなにも様々な香りを纏い、口の中で赤系果実のスープとなって、
しなやかに喉を流れる。まるでボトルを空けたその時から、生命が吹き込まれたかのように、
生き生きと様々な変化を見せる。

そして、純粋な気持ちで「美味しい」と感じる幸福をもたらす。
この体験以来、私にとって「ドメーヌ・ポンソ」は特別な存在となった。



それから数年後、「ドメーヌ・ポンソ」のワインに私は再び衝撃を受けることとなる。

その前に、「ドメーヌ・ポンソ」とは如何なる造り手なのか、簡単に説明しておこう。

モレ・サン・ドニに本拠地を置き、1872年より続くドメーヌ・ポンソは、
クロ・ド・ラ・ロシュ最大の生産者として一目置かれる存在である。

1981年より4代目当主を務める、ローラン・ポンソ氏。
彼が最も大切にしていることは、「デリケートさ、エレガントさ、フィネスの表現」であり、
それを実践するために可能な限りの手間をかけるというのが、
ポンソのワイン造りのこだわりである。

その圧倒的な低収量、自然派ワインというジャンルが生まれるはるか前の1977年から、
科学薬品を使用せずビオロジックともビオディナミとも異なるアプローチの
自然栽培を行ってきた。この徹底した自然栽培へのこだわりは、
ルロワと並び称される、紛れもないスタードメーヌなのである。

天才的とも言える独自の手法から生み出される、驚くほどにピュアな造りのワイン。
この味わいこそが、ポンソ最大の魅力である。 






















さて、話を元に戻そう。
私が再び「ドメーヌ・ポンソ」のワインに驚かされた理由。
それは、何であったのか。

「モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ クロ・デ・モン・リュイザン・ヴィエイユ・ヴィーニュ 」

アリゴテ100%で造られる、幻の白ワイン。
コート・ドールで唯一、アリゴテを使うことが許されているプルミエ・クリュであり、
ドメーヌ・ポンソのモノポール(単独所有畑)である。

ポンソの当主、ローラン氏はことのほかアリゴテにご執心なことでも知られている。
かつて、シャルドネやピノ・ブランも混ぜて造られていたクロ・デ・モン・リュイザンであるが、
現在は1911年に植樹された、古樹のアリゴテのみから造られている。
















シャルドネに比べて早熟で酸味が強く、長期熟成には不向きな品種とされているアリゴテだが、
収量を抑え、ローラン氏の天才的な手法にかかれば、
これほどまでに見事なワインになるのかと、衝撃を受ける。

まさに、アリゴテの常識を覆す味わいなのだ。






















グラスに注ぐと、美しいキラキラと輝く黄金色。
アプリコットに青リンゴ、黄桃のアロマが甘く漂う。
芳醇なミネラルを思わせる豊かなアロマに、イースト香やローストナッツ、
そしてオリーヴの実のニュアンスを感じる。

口に含むと、底にしっかりとした厚みを感じるふくよかなアタックに、
キレの良い酸味を感じる。
ここで初めて、このワインがアリゴテで造られていることに気がつく。

トロみを感じさせる濃密な味わいを引き締める、見事な酸。
10年の熟成をも可能にする、ポテンシャルの高さ。
通常のアリゴテからは想像もつかない、深みある味わいは、
ドメーヌ・ポンソが手掛けるからこそ生み出される、まさに情熱と努力の賜物なのである。

いつも私にワインの面白さを教えてくれる、ドメーヌ・ポンソ。
まさに原点であり、この先も更に追い続けたくなる、憧れの存在なのである。



▼今回ご紹介したワインはこちら
2010年 モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ クロ・デ・モン・リュイザン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
                             / ポンソ  14,500円(15,225円 税込)

0 件のコメント:

コメントを投稿