2014年3月10日月曜日

新たな一歩が人生を変える、情熱のワイン「カ・マルカンダ・プロミス」

異動、退職、卒業・・・別れの多い春の季節は、
同時に新たなステージに旅立つ者が多い季節でもある。
そんな季節になると、ふと頭をよぎるワインがある。
それが「カ・マルカンダ・プロミス」である。

「カ・マルカンダ」とは「長い交渉の家」の意味。
このワインを手掛けるアンジェロ・ガヤ氏は、「イタリアワインの帝王」と評される
世界で最も有名なイタリアワインメーカーの一人だが、
その帝王も大きな困難に直面したことがある。






















ピエモンテでバルバレスコの造り手としての名声をほしいままにしていたガヤ氏。
一切の妥協を許さないワイン造りが常に最高の評価を受け、
世界で最も権威あるイタリアワイン評価誌「ガンベロ・ロッソ誌」にて、
歴代で最も多くの最高評価(トレ・ビッキエリ)を獲得するという偉業を達成するなど、名実ともにイタリアワインの頂点に君臨していた。

しかし、帝王の「最高のワインを造る」という情熱は
ピエモンテだけには収まりきらず、トスカーナにも向かうことになる。
トスカーナ州・ボルゲリ地区にあったその土地は、サッシカイアなど一部のトップワイナリーにしかみられない土壌を持つ、ワイン造りに最適な土地であった。





















ガヤ氏はその素晴らしい土地に目をつけると、
すぐさま土地所有者にその売却を打診する。
しかし、所有者はなかなか首を縦には振ってくれなかったのだ。

ガヤ氏は何度も何度も足を運んで交渉するが、進展はない。
それでも諦めることなく何度もトスカーナに足を運ぶ夫を見たガヤ氏の妻は、
「またカ・マルカンダ(望みの無い交渉)に行くの?」と呆れていたという。

しかし、終わりの見えない交渉を幾度となく続けた末、
とうとうガヤ氏はその土地を譲り受けることに成功するのである。

情熱が人の心を動かした瞬間であった。

交渉回数はなんと18回。
最高のワインを追求する帝王は、妥協というものを知らない。

そしてこの素晴らしい土地を手に入れるまでの長いストーリー
「望みの無い交渉=カ・マルカンダ」が、このワイナリーの名前になった。
















1996年に手に入れた土地、カ・マルカンダ。
ガヤ氏は手中に収めた念願の土地に、
周りの景観を壊さないように低い屋根を持つ
シンプルなデザインのワイナリーを建設した。

そしてそこで生み出されるワインはリリースされるや否や世界中の称賛を浴び、
瞬く間にボルゲリを代表するワインの一つとなった。

妥協知らずの帝王、ガヤ氏は現在73歳。
なんと14歳のころからワインを嗜み、
現在も3度の食事にワインを欠かさないという。
しかし一旦ワインについて語り出すと、
大きな目を輝かせながら何時間でも熱く語るその姿は、
帝王というよりはワインが好きで仕方がない少年のようでもある。

一見強面に見えて、ことワインに関しては、
純粋で情熱的な姿を見せるところが、
ガヤ氏が我々を引きつけてやまない魅力でもある。

さて、そんなガヤ氏が、終わりの見えない交渉を繰り返してでも
手に入れたかった素晴らしい土地「カ・マルカンダ」。
そこで育ったブドウから造られるワインは一体どんな味がするのだろう。

はやる気持ちを抑え、一口飲んでみることにしよう。




ブドウは、ガヤ氏が「カ・マルカンダで必ず成功する」
と確信した品種、メルロを中心とした
メルロ55%、シラー35%、サンジョヴェーゼ10%をブレンド。

グラスに注ぐと、
凝縮した赤系果実に、ビターなチョコやタバコといった
スパイスの香りが混じる複雑かつ控え目な香りが立ち上る。
その風味はボルゲリという海沿いの温暖な地域から
想像していたものとは程遠い、スマートで洗練された印象。

一口口に含むとみずみずしい果実の凝縮した旨味が広がり、
シラー由来の、甘いスパイスを思わせる複雑で心地よい余韻が残る。

ガヤ氏のワイン造りにかける一途な情熱のように、
ピュアでみずみずしい、曇りのない味わいが実に印象的である。

そういえばこのワインの名前、PROMISはラテン語でPROMISSIOの略語で、
「必ず約束します」という意味であった。

「情熱をもって物事に向き合えば困難は乗り越えられる。」
このワインは、我々に暗にそのことを示唆しているのであろうか。

新たな人生の一歩を踏み出す春。
ガヤ氏のメッセージとともにこのワインを味わおうではないか。


▼今回ご紹介したワインはこちら▼
2010年 カ・マルカンダ・プロミス/ガヤ
4,700円税抜 (4,935円税込)






 


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